日本経済新聞 2001年 4月18日より
湖浄化向け船型装置開発

岡田鉄工所 イガデン動力の一部に太陽光

鉄骨構造物を施行する岡田鉄工所(茨城県岩井市、岡田章社長)は検査機器ベンチャーのイガデン(茨城県石下町、五十嵐武士社長)と共同で、湖沼を浄化する船型の装置を開発した。
水面に浮かんでヘドロを含む水を吸い上げ、船上でヘドロだけを分解し、浄化した水を湖沼に戻す。
動力の一部は太陽光発電で賄う。
実証実験を重ね、自治体などからの受注を目指す。
新装置は鉄製の船の上にヘドロ分解装置やアオコ回収槽、ポンプを乗せたもの。
船の大きさは長さが約三㍍、高さが約四十㌢。屋根には太陽電池を取り付けた。
茨城県中小企業経営革新支援対策事業の補助を受けて開発した。
発売時期や価格は未定。
船首に一本のアーム(腕)を備え、アームの先からパイプが水中に突き出ている。
アームを左右に振って湖底のヘドロを巻き上げ、ヘドロを含む汚水を効率よく吸い上げる。
パイプの長さを短くすると、水面に浮かぶアオコなども回収できるという。
汚水は電気の力で汚濁物質の九割以上を分解する。
毎分十㍑の水を処理できる。
水を吸い上げるにはエンジンを使うが、汚濁物質の分解に費やす電気は太陽電池で賄う。
太陽光で発電した電気をためる蓄電池も組み込んだ。
将来はすべての動力を太陽光発電で賄う計画で、ゴルフ場や公園の池、自然の湖沼で連続的に使えるようにする。
湖岸に処理装置を建てる必要がなく、スペースが節約できるのも利点という。
湖沼の浄化には、しゅんせつ船で湖底の汚れた土砂を引き上げる方法があった。
だが回収の際にヘドロなどが流れ落ち、浄化に時間が掛かるのが難点だった。
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