1999年7月7日 日本経済新聞より | |||
イガデン
湖沼のアオコを除去
装置を開発 フィリピンで浄化試験
検査機器ベンチャーのイガデン(茨城県石下町、五十嵐武士社長)は湖沼のアオコ(藻類)を除去する装置を開発した。 水に電圧を加え、細かい気泡を発生させて、アオコを浮上・回収する筑波大学と共同で今月からフィリピンで浄化試験を開始するほか、茨城県科学技術振興財団と協力し、霞ヶ浦の浄化への応用を狙う。 装置の外販にも乗り出す。 金属電極を水に入れて電圧を加えると、電極から金属イオンが溶けだし、アオコを凝集させる。 同時に水が電気分解し、細かい気泡が発生する。この気泡が凝集したアオコの固まりに付着して、アオコだけを浮上させる。 水面に浮上したアオコを回収、生ゴミ処理機の仕組みで分解する。 水に塩分が含まれていれば、電気分解の時に塩素ガスが発生し、殺菌効果も期待できるとしている。 筑波大学の松村正利教授と共同で今月から、フィリピンのえび養殖場で浄化試験を始める。 省エネタイプの装置を投入し、性能を評価する。 茨城県や茨城県科学技術振興財団などと協力し、水質がいっこうに改善しない霞ヶ浦の浄化に使えるかどうかも検証する。 また藻類などを含む汚水を1日3㌧処理できる装置などの受注生産にも乗り出す。 最低価格帯は二百万円程度という。 同社のホームページ(http://www.igaden.com)で販売代理店も募集する計画だ。 |